国家間の友情と、人と人の友情(2023/12/11)

今日の午後 NHK BS で放映された

Entertainment

ラスト近くに、記者の質問にアン王女が答える。私は国家間の友情を信じています。人と人の友情を信じるように。 この映画が公開された1956年は冷戦の真っ只中。当時の世界は、民主主義対共産主義という、現在よりずっと単純な構図で成り立っていた。 というこのセリフ、当時は感動的に受け入れられたと思うと隔世の感がある。あの頃は、まだ未来へ希望を託すことができたのだ。 複雑化した現在の国際社会において、国家間の友情などまったくの絵空事に聞こえる。しかし、紛争中の国でさえ、そこに住むほとんどの人々は、人と人の友情を信じる普通の人間なのだ。もちろん、いまの世界に国は必要である。国がなくなれば秩序もなくなり、普通の人々も人間の脆さをさらけ出すだろう。そうだとしても、なぜ人同士ならできることが国同士だとできないのだろうか。 問題の根源は国家秩序の具現方法が国によって異なることにある。国や宗教を越えた秩序を見つける努力をしなければ、それこそ我々の未来に希望はない。 ロマンティックコメディ映画からずいぶん飛躍してしまったなー。

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